種を確保して、最終的に無事収穫できる割合の「歩留まり」を上げたいものです。
ステージごとにチェックポイントを抑えておき歩留まりを改善しましょう
にんにくそのものも比較的高価ですが、種も高価です。
種1個の価格が、ざっくり言って、福地ホワイト6片では40円程度、暖地系の土佐・博多・宮崎ニンニクなどでは25円程度、中国ホワイトでは3円程度、のようです。
買うと高いので、自分で栽培したにんにくの種を使うと安くつきます。
中国ホワイトでは、種が安く入手できるので、わざわざ自家製ではなく購入した種を使うほうが良いかですね。
福地ホワイト6片では、種を買うと高いので、自分で栽培した自家制の種でなんとかしたいです。しかし、福地ホワイト6片の栽培は、気候の関係で難しく、歩留まりが悪いです。
種をあまりにも早く手に入手し保存しておくと、播種までに病気になることがあります。
種を購入する場合には、播種の時期にホームセンターで購入するか、播種の時期に届くようにネットで予約して購入します。
「播種する種の数」は
「収穫したい数 / 歩留まり率 +予備数」になります。
例えば収穫したい数が100で、歩留まり率が60%で、予備数を15個とすると、182個の種が必要です。
歩留まり率は、自分の過去のデータで概算しておきます。
「播種する種の数ー予備数」が決まれば、マルチの長さが決まります。マルチの長さが決まれば、畝の大きさもきまります。
鱗片のうち、小さいものは食用や葉にんにく用にします。種にするのは、中型以上大きすぎないもので色や形の良いものを選別します。
選別したものは、種子消毒をします。種子消毒は、播種する直前にします。種子消毒後に速やかに播種します。
薄皮を剥いで、むきにんにくにしたものを播種すると発芽が早くて生育が良いという方もいます。手間がかかります。
播種してから数週間すると、にんにくは発芽してきます。
マルチの穴から、にんにくの可愛い苗が、全部そろって顔を出せば嬉しいですね。
中には、ミスして種を逆さに植えた種や、発芽したのにマルチの下に隠れている苗もあります。それらは、なんとか直します。
種が病気になって発芽がしない種もあります。土ごと抜き取り、予備の種に取り替えます。
発芽不良数
12月には、風通しや日あたりを良くするためや、雑草に土壌の養分を摂られないよう、草抜きをします。
その際に、予備に播種した種が発芽しなかったり、発芽したはずの株が、病気になったり消滅したりしています。
発芽しないものや、病気になった株は、土ごと抜き取り、畑以外の場所で処分します。予備の種があれば播種します。
空いてしまったマルチの穴は、雑草対策のため石などで封をしておきます。
追肥は多すぎないよう適量散布します。
罹病数A
気温が上昇し暖かくなってくると、にんにくも雑草も成長が盛んになります。
風通しや日あたりを良くするためや、雑草に土壌の養分を摂られないよう、草抜きをします。
その際に、病気になったり消滅したりしている株は、土ごと抜き取り、畑以外の場所で処分します。空いた穴は、雑草対策のため石ころなどで封をしておきます。
にんにくの育ち具合から、追肥が必要と思われる場合には、多すぎないよう適量散布します。
罹病数B
4月になり気温が上昇し、雨の日が多くなってくると、菌の活動が盛んになります。
春腐病などにかかった株を見つけたら、隣の株に感染しないよう、速やかに土ごと抜き取り、畑以外のところで処分します。
まず、マルチを除去する前に、抜き取ったり自然と消滅してしまった株をカウントし、マルチ(石も)を除去します。
順調に生育していると思っていたら、急ににんにくの株がおかしくなってきます。
罹病数C
収穫したにんにくは、畝(土)の上で数日乾燥した後に、根や葉を切り落として、しっかり乾燥します。
この段階では、罹病したり腐食しているにんにくや、あまりにも小さすぎて利用できないにんにくは処分します。
処分数A
農家では、出荷可能な品質の良いものの数が収穫数になります。家庭菜園では、人にあげたり、食用にしたり、黒にんにくにしたりできる大きさまでをカウントします。
捨てるには勿体ない程度の小さいものは、後で何かに使う場合でも、カウントから除外します。
しっかり乾燥した後に、「最終的な収穫数」を確定します。
処分数B、最終的な収穫数
歩留まり率 = 最終的な収穫数 / 播種する種の数
播種する種の数 ー 最終的な収穫数 = 発芽不良数 + 罹病数の合計 + 処分数の合計
罹病数の合計 = 罹病数A + 罹病数B + 罹病数C
処分数の合計 = 処分数A + 処分数B
歩留まり率は、にんにくの種類などによって異なりますが
家庭菜園では、良い時で90%、最悪の時で50%程度です。
プロの専門農家では、1%未満のところもあります。