たくさん収穫できたら、食用のためや種のため、しっかり保存して有効に使用したいものです。
1.「にんにく」の保存

保存する目的の違いにより、次の3つに区分できます。
①家庭で年間を通して満遍なく摂取するための食用保存
②自分で収穫したにんにくを秋に播種する種としての種球保存
③品質を維持しながら出荷を長く続けるための出荷保存
の3つがあります。
ここでは、家庭菜園で必要となる食用保存と種球保存について説明します。
2.食用保存(年中通して食するための保存)
切り方と香り

切り方の画像




切り方と使い方
①皮が付いたまま
にんにくの丸ごとロースト、丸ごと揚げ
②つぶす
炒めもの、煮込み料理
③1/2カット
炒めもの、煮込み料理
④横薄切りスライス
炒めもの、煮込み料理、ガーリックチップス、 かつおのたたきなどの菜味、パスタ
⑤縦薄切りスライス
炒めもの、煮込み料理
⑥せん切りや角切り
炒めもの、煮込み料理
⑦みじん切り
炒めもの、煮込み料理、トマトソース、カレーなどの味のベース、パスタ、ニンニクチャーハン、ドレッシング、海鮮サラダ、トマトなどをあえるタイプのサラダ
⑧すりおろし
バターに練りこんでガーリックバター、ガーリックトースト、肉の下味用、菜味
年間を通してにんにくを摂取するためには、食品スーパーで年間を通して購入を続けるか、または、自分で1年分を栽培して上手に保存し、年間を通して摂取できるようにします。
6月に収穫後7月中旬までなら「生にんにく」として美味しくいただけます。
その後は、そのまま放置しておくと、カビが付いたり、腐ったり、極度にしぼんだり、発芽したりしてしまいます。それらを防ぐために、次のような方法で保存します。
充分乾燥させてから、冷蔵庫の野菜室に入れて保存することもできます。
冷蔵庫のチルト室で半年くらいまで保存できます。
冷蔵庫の冷凍室や冷凍庫で冷凍すれば、1年以上保存できます。冷凍する場合は、薄皮をむいてから冷凍すると便利です。
冷凍した乾燥にんにくは芯まで凍らないので、何時でも取り出してスライスしたり、みじん切りしたり、すりおろしたりして使えます。
ただし、冷凍したニンニクは、味が少し落ちます。
手軽で一般的な長期保存の方法として、醤油や味噌などに漬けたり、冷蔵庫で冷凍したりすると、1年以上保存できます。
発酵が進むことにより、一層美味しくなります。
以下に、「醤油漬け」「みそ漬け」「オイル漬け」「黒酢漬け」のサイトを紹介いたしますので利用して下さい。
浸ける時のにんにくの切り方は様々あります(左参照)。どの切り方が美味しいは人それぞれです。
醤油漬け
味噌漬け
採りたての生にんにくは水分が多く、乾燥後のにんにくより腐りやすいので、長期保存する場合は乾燥後のにんにくを使いましょう。
鱗片をそのままでは食べにくいので、にんにくはせん切りや角切りの方が美味しく食べやすいです。
オリーブオイル漬け
黒酢漬け
3.種球保存(自分で栽培するために種として保存)


本来、にんにくは秋に播種し、冬を越し(寒さを経験し)、春から一気に成長します。種球を冷蔵庫で保存すると、にんにくは冬を経験してしまいます。
この冷蔵保存されたにんにくを秋に植えると、春だと勘違いし成長に狂いが出てくるので、種球は冷蔵しません。
常温保存では、9月位から休眠が打破されて発芽し、10月には発根します。6月に収穫したにんにくの出来るだけ大きな鱗茎を、播種するまで、腐植・発根・発芽しないように、保存しなくてはなりません。
最初にすることは乾燥です。収穫したら、茎部分は短くカット(水分を含んでいるので)し、根を切り取り(不要だから)、薄皮は残したまま(保湿のため)にします。
このにんにくを束にして、または収穫袋に入れ、陽の当たらないように乾燥させます。乾燥期間中はときどき位置を変え、乾燥ムラが無いように、また乾燥中にムレないように管理します。乾燥は20日~1ヶ月程度で乾燥できます。
その後は、球の部分だけをネット袋などに入れて陽の当たらない風通しのよいところで播種の時期まで保存するか、籾殻の中や土の下で保存します。