にんにくの糖度

にんにくの糖度は果物よりはるかに高い。糖度は高いのに甘くない。糖度の高い効能は?

にんにくの糖度の高さ

糖度計:なまにんにくの糖度
糖度計:黒にんにくの糖度
生ニンニクでは

生にんにくの糖度は約40度です。

黒にんにくでは

 黒にんにくでは熟成されて約50度になります。
 下の糖度一覧表で確認すると、果物と比較して、飛びぬけて糖度が高いことが分かります。

にんにくの糖度が高いわけ

凍らない
長い期間、寒さに耐える
冬に成長する植物は

 野菜の葉や根は凍らないのが不思議に感じますね。それは、冬に向かって、葉や根の中に、凍らないための物質を増やしているからです。
 その一つが「糖分」なのだそうです。「水」と「砂糖水」を冷凍庫に入れると、砂糖水のほうが凍りにくいのがわかります。そして、溶けている砂糖の量が多ければ多いほど
ますます凍らなくなります。

実が凍結しないよう糖分を蓄えます

 冬の寒さで根や葉が凍らないように糖分を蓄えます。たくさん蓄えたデンプンの一部を糖に変えることで、実が凍るのを防ぎます。
 砂糖を多く用いるジャムを冷凍庫に入れて保存すると、凍りにくくなります。

寒い冬を過ごすにんにくは糖分が多い

 福地ホワイトは、越冬性のにんにくは、糖分を溜め込むため凍りにくくなり、凍結から身を守るのです。
 またにんにくの栽培地には寒暖差が厳しく日中と夜とでは10℃以上も差があるところがあります。
 この苛酷な環境を乗り越えようと栄養を溜め込むため、旨味のあるにんにくへと成長するのです。

糖度が高いのに甘くないわけ

甘い黒にんにく
にんにくは糖質が多いのに甘くないのはなぜ

 にんにくは糖度が高いのに、甘くないですね。理由は糖質のほとんどが果糖が重結合した多糖類だからです。
 ヒトが甘味を感じることができるのは単糖類と少糖類だけ。多糖類は甘味を感じることができません。

黒にんにくの甘さは

 にんにくを熟成させて、黒にんにくにすると、刺激成分がなくなり甘く感じるようになります。

糖度には色々ある

ぶどう
いちご
糖度の種類は複数あります

 つまり糖度の数値は、水に溶けている固形物の量の指標のことであり、厳密にいえば糖だけの量を示す値ではありません。 しかし同じ果物同士を比較する場合、一般的に糖度が高ければ糖の量が多いため、糖度は甘さの目安と考えられています。

にんにくが甘く感じない理由

 中には糖度が高くても、糖以外の成分の方が多ければ甘いと感じないものもあります。 にんにくでは、糖以外の成分が多いのと、刺激の強い成分があるので、甘く感じません。

糖度計の限界

 果物の甘みを含む糖質は、果糖・ブドウ糖・ショ糖などがあります。糖度計では、糖度はショ糖の量だけを測っています。

糖度が高いと何が良いのか

違う種類の果物

「違う種類の果物」だったら、糖度とカロリーは比較できない

「同じ種類の果物」で「 糖質以外の成分量は同じ」 なら

「同じ種類の果物」で「 糖質以外の成分量は同じ」と仮定すると、糖度が高いほうが糖質量が高い(=カロリーが高い)

果物と違う種類のにんにくでは

 糖度が大きく違うので、にんにくはカロリーが高く、大きなエネルギー源になると考えられる。