にんにくの活用

にんにくを食事で摂取し、「活力増強」と「がん予防」を実現したいときのポイント。

1.「にんにく」活用のポイント

 「健康で長生き」するためには、「がん予防」と「活力増進」は必須です。「効能」のページで述べたように「にんにく」には際立った2つの効能があります。「にんにく」がもたらすアリシンは、「がん予防」と「活力増強」をもたらしてくれます。
 臭い成分である「アリシン」は、放置すると20分くらいで空気中に逃げてしまう揮発性と、油に溶けやすい脂溶性と呼ばれる性質を持っています
 一番目のポイントは、「アリシン」を逃がすことなく摂取することです。「にんにく」の皮を剥いだり、「にんにく」を切ったりして、「にんにく」に含まれる「アリイン」という細胞を傷付けると、酵素の働きで「アリシン」という成分に変化します。「アリシン」は揮発性という性質をもつため、料理の最初のプロセスで工夫が必要です。
 2番目のポイントは、油に溶けやすい特質を活かした調理法を工夫することです。
 3番目のポイントは、毎日欠かさず「にんにく」を摂取できる工夫をすることです。

2.「にんにく」の旨みと香り

鱗片(りんぺん)まるごと
スライスしてお肉に

 「にんにく」が好きな人と接して次のように感じています。

 「にんにく」が好きなすべての人が、健康で活力があるというわけではありません。
 もともと健康で活力がある人が、もっと元気になりたいために、「にんにく」が大好きになるということです。

 「にんにく」を使う料理には、ホイル焼きや炒めにんにくのように、「にんにくの旨み」をだす料理と、焼き肉料理のように、「にんにくの香り」を高める料理があります。
 スライスしたり、みじん切りにしたり、細かくすればするほど「にんにくの香り」が強くなり、「アリシン」に変化します。

 「にんにく」が好きな人は、「にんにくの旨み」と「にんにくの香り」に惚れこむのです。

3.「アリシン」を逃がさない工夫

● 揮発性と脂溶性のアリシンをすぐ溶かす
 天ぷら料理のように高温の油の中にいきなり入れない。タンパク質分解酵素は、60℃を超すと失うからです。フライパンや鍋に油と「にんにく」を入れ、弱火でゆっくり加熱します。
● 皮付きのまま加熱
 フライパンに「皮付きにんにく」と油をに入れ、弱~中火で加熱します。ぷっとふくらみ、皮がきつね色になり、パッとはじけたら火を止めます。取り出して、香りの移った油で鶏肉や魚などを焼きます。
● スライスして加熱
 フライパンに油と「スライスにんにく」を入れて火をつけ、弱火でゆっくり加熱します。フライパンを傾けて油を寄せて、にんにくに火を通します。「にんにく」がきつね色になったら火を止めます。

4.「ビタミンB1」を含む食品を合わせて摂取

 ビタミンB1は、にんにくの効能ページで述べましたが、スタミナ増強、疲労回復などに欠かせない栄養素で、「にんにく」と合わせて食べることで吸収されやすくなります。ビタミンB1の補給はとても有効で、疲れにくい体をつくってくれます。

 ビタミンB1を含む代表的な食品は「豚肉」です。豚肉は脂肪を多く含み、脂溶性の「にんにく」とは非常に相性の良い食品でもあります。豚肉と「にんにく」を合わせた料理をどんどん頂きましょう。

ビタミンB1の効能とビタミンB1を多く含む食品

5.毎日欠かさず摂取する工夫

 日常的な料理でにんにくを自然に使う習慣をつける。
① にんにくを、胡椒(塩コショウ)やカレーパウダーなどと同じ香辛料(スパイス)として日常的に使用する。食事をおいしくしたり、食欲を増進させたりする。
年間通して「にんにく」を香辛料として摂取するには、「にんにくの食用のための長期保存」が必要になります。「にんにくの保存のページ」をご覧ください。
② 生にんにくをかじるとわかる様に、痛みにも似た強い刺激を臭いと共に感じることができます。この刺激と臭いを和らげるために、熟成させて「黒にんにく」にしたりして毎日1~2りん片を食べる。「黒にんにく」の作り方は、「黒にんにくのページ」をご覧ください。

6.経済的な面も考えよう

 最初の年だけ「にんにく」の種を購入し、自分で「にんにく」を栽培します。
 収穫した「にんにく」を種にして翌年に栽培すれば、肥料代程度しかかかりません。
 「黒にんにく」も、自分で栽培した「にんにく」を用いて簡単に出来ますので、購入することはありません。