無臭にんにく

無臭にんにくは、にんにくを苦手な方にとって救いになるかと話題になりましたが・・・

「無臭にんにく」を栽培してみて

無臭にんにく

 以前、秋に「無臭にんにく」の種を播種しました。順調に成長して、茎葉はジャンボにんにくよりも大きく育ちました。
 期待を込めて、翌年の6月に収穫しました。ジャンボにんにくより小さ目で、にんにくの形に似ていました。
 鱗茎をばらして鱗片にするときに、ほんのりと玉ねぎの香りの匂いがし、赤玉ねぎを切った時のように、目にしみました。
 ほぼ無臭で、味は玉ねぎのようなので、香辛料としては使えません。栄養素が十分に含まれているかが問題ですね。

「無臭にんにく」の「にんにく」判定

無臭にんにくの鱗片

 にんにくの判定条件として、①鱗茎の形と鱗片の形、②鱗片の薄皮をはいだときに漂ってくる香り、③香辛料として料理に使ったときの味覚、④にんにく特有の成分アリシンの量、の4点が挙げられます。
 ①の形の点ではにんにくに見えます。②の香りと③の味覚がにんにくとは違い「玉ねぎ」みたいです。④のアリシンについては無に近いのではと感じました。

「無臭にんにく」は「にんにく」ではない

西洋玉ねぎ(リーキ)
巨大な西洋玉ねぎ

 到達した結論は次の通りです。「無臭にんにく」は、「匂いの無いにんにく」ではなく、「匂いが無く、形がにんにくに似た、西洋玉ねぎ」なのです。また、「ジャンボにんにく」は、「にんにくの成分をもった、形がにんにくにそっくりの、大型の西洋玉ねぎ」なのです。

 名称の後ろに「にんにく」と付けるのは間違っていると思われます。「にんにく」と付けたほうがよく売れるからでしょう。
 家庭菜園で「無臭にんにく」を「にんにく」だと思って栽培する人もいるし、「無臭にんにく」を「にんにく」だと思って購入する消費者もいます。紛らわしい名称の付け方は止めてほしいですね。

 一時「ジャンボにんにく」が騒がれました。大型の「にんにく」だと間違って、栽培した人や購入した人がいました。今では、「ジャンボにんにく」は「にんにく」ではないことが知られるようになり、栽培は下火になっています。「無臭にんにく」も、「にんにく」ではないことが知られるようになりました。

 ただ、「無臭にんにく」には、「サポニン」という成分が含まれ、「にんにく」とは違った効能があります。

サポニンの効能についてのWebページ