有機液肥の作り方と使い方
2021.09.15
微生物の働きによる肥料効果と病気の予防に役立つ有機肥料の作り方とその使い方
有機液肥とは
微生物の働き
土の中には1グラムあたり30億個の微生物がいます。
いったん植物が土中に根を伸ばし、地表に茎葉を出し始めると、微生物は根や茎葉の周りにに集まってきて、植物の成長を助けたり、病害虫から植物を守ってくれます。
反対に、植物は微生物の成長に必要な養分を提供し、持ちつ持たれつの関係が成立しています。
微生物にとって有機物はエサです。エサのない状態ではひっそりとしている微生物ですが、有機物が土に投入されると一気に活発にエサを食べ、増殖と死滅を繰り返します。
有機肥料の特徴
有機肥料と化学合成肥料との違いは、即効性があるのが化学肥料、土の中で微生物に十分に分解されてから野菜が吸収するのが有機肥料です。
化学肥料は、微生物のエサにはなりません。したがって、化学肥料だけの施肥は、エサがないのでやがて微生物ゼロの土を作ります。
有機液肥の種類
米ぬか液肥
米ぬかは、3大要素(窒素・リン酸・カリウム)をバランスよく含みます、リン酸が多いので果菜類に使われます。
米を洗うときに、最初に出る濃いとぎ汁には乳酸菌が多く含まれます。とぎ汁に黒糖を加え、糖分が乳酸菌の餌になります。粗塩を加えて、塩分でほかの菌の増殖を抑えます。
よくかき混ぜ、ペットボトルに移し替えて、満タンにせず空気を入れておき、ふたも少し緩めておく。日陰の暖かいところに置いておけば、約1週間で完成します。
油かす液肥
油かすは、なたねや大豆の油の搾りかすで、3大要素がバランスよく含まれ、使いやすく有機肥料の代表です。
えひめAI-2( AIは「あい」 ) 複合液肥
「えひめAI-2」は、納豆、ドライイースト、ヨーグルト等を発酵培養したものです。
「えひめAI-1」は産業用に、「えひめAI-2」は家庭用の材料で作ることができるように開発されたもので、製造方法や材料に若干違いがあるものの、効果は同様です。
すべて食べられるもので作られており、安全で安心して使えます。
有機液肥の作り方
油かす液肥の作り方
【材料】
・油かす
・水
・ペットボトル1.5~2L(丈夫な素材のもの)
1.「油かす1:水10」が基本の分量です。1.5Lのペットボトルで作る場合は、油かすをペットボトルの底に高さが1cmほどになるように入れ、水をその10倍(約1L)注ぎます。
2.ペットボトルのフタを閉めて上下に振り、水と油かすを混ぜます。混ぜ終わったら、フタを緩めておいてください。
3.直射日光が当たらない、風通しの良い場所に約1~2カ月置いて発酵させます。
※季節や置き場所の気温によって発酵期間は変動します。暖かい季節は約1カ月で発酵完了しますが、寒い季節は約3カ月かかる場合もあります。
4.発酵期間中は、1週間に1回程度はよくかき混ぜましょう。その際フタはしっかりと閉めて行ってくださいね。混ぜ終わったらフタは再度緩めておきます。
えひめAI-2(AIは「あい」)の作り方
【材料】
1、納豆 : 1粒
2、イースト : 2g
3、ヨーグルト: 25g
4、砂糖 : 25g
5、水 :450ml
※ヨーグルトは、飲むヨーグルトでも大丈夫です。
※砂糖は、白砂糖や三温糖などでいいです。
※水は米のとぎ汁を使ってもいいです。
【他に用意するもの】
1、容器 :500mlのペットボトルで作って
スプレーボトルにいれて使います。
【作り方】
1、500mlのペットボトルに材料を入れてよくまぜます。
※ミキサーを使うと楽です。
2、35度の温度で1週間ほど発酵させる。
※発酵するときに炭酸ガスが発生しますので容器のフタはゆるめておきます。
※熱帯魚用ヒーターをお持ちの方は、35℃の温水につけておくといいでしょう。
または、夏は直射日光の下でもいいようです。
電気あんかでもいいですね。
※「35度の温度で1週間発酵」の工程が一番の壁のような気がします。
ヨーグルトメーカーを使った人もいるようです。
あなたがやった方法を教えてくれるとうれしいです。
開発者の曽我部先生に聞いて、私なりにまとめてみましたので「えひめAI」の発酵のさせ方もご欄ください。
3、なめて酸っぱければ完成です。
※乳酸菌や納豆菌、酵母菌が1mlあたり1~10億個くらいに増えて酸っぱい味になります。このとき酵素も作られています。
にんにく栽培での液肥を追肥として
油かす液肥をにんにくの追肥として
出来上がったら上澄み液を5~10倍に薄めて使用します。
マルチの上から 潅水を兼ねて 散布します。雨で流れてマルチの穴に流れ込みます。 潅水を兼ねて
えひめAI-2をにんにくの追肥として波面散布の仕方
100~300倍にうすめて、マルチの上から潅水を兼ねて散布します。
ただし、微生物農薬自体、週二回くらい散布しないと効果を感じられないかもしれません。
葉面散布に消毒にと週二回くらい使用すると、効果が実感できるようです