にんにくの種はホームセンターやJA、ネットなど販売しています。収穫したものを種にもできます。
1.にんにくの種の確保について
種を購入するときには、産地の気候と栽培する地域の気候とが似通っているかを確認します。
ただ、少々気候が異なっていても栽培は可能なので、家庭菜園では、多少失敗しても栽培を楽しむことができます。
にんにくの播種の適期は、にんにくの種類とご当地の気候によって異なりますが、おおむね9月から11月までとなります。
種の入手方法として、①購入する方法と、②自分で栽培したにんにくから選ぶ方法(いわゆる自家製の種)があります。
にんにく栽培1年目は、購入することになります。2年目から、にんにくの種類によっては、自家製の種で賄うことも可能になります。
2.にんにくの種の購入について
①購入先としては
にんにくを購入によって調達するときに重要なのは、購入先と入手時期です。 購入先としては、ホームセンターやJA(農協)から購入したり、にんにく専門業者からインターネットを利用して購入する方法があります。
ホームセンターでは7月中旬くらいから店頭に並びます。他の野菜の苗や種と違い、早くから店頭に出ている種が良いということはありません。8月下旬まで何度かホームセンターに行って選ぶと良いでしょう。中国ホワイトの種ならホームセンターです。
種の専門店である種苗店には、品質は良いとしても、馴染みが無く何となく行きにくいですね。行ってみないと在庫があるかどうか不安です。
福地ホワイト6片は一部のJAの売店で取り扱っています。在庫が無ければ取り寄せてもらえます。 中国ホワイト以外の、国産の暖地系にんにくや寒地系の福地ホワイト6片の場合は、「にんにくの種球」として産地のにんにく専門農家から、インターネットを利用して購入することをお勧めします。
推奨する産地の専門農家をあえて紹介しませんが、探し当てるのも楽しみの一つです。
②早めに購入、もしくは予約しておく
にんにくの種の販売業者は、売れ残ってしまうと困るので、在庫を抑えているので、9月頃に買おうと思っても売り切れていることがありますのでお早めに確保しておく必要があります。
「福地ホワイト6片」は特に売り切れが早いので、予約しておくべきです。
⑤多めに入手しておく
にんにくの種は、種球(鱗茎)を鱗片にばらします。その中から、大きい(重量)ものを選びます。傷がついたり変色していたりしたものを取り除きます。
数が足りなくことが多々ありますので、少し多めに買っておくと良いです。
⑥スーパーで販売している食用にんにくについて
スーパーなどで食用に販売しているにんにくは、冷蔵保存されていて、生理的障害が発生する可能性があります。
種が不足した場合に応急的に使えます。
3.自分で栽培したにんにくから選ぶ方法(自家製の種)
「自家製の種球づくり」にチャレンジのページで述べていますが、中国ホワイトや国産暖地系にんにくを栽培した場合には、自分で栽培したにんにくから種を用意すると経済的です。
福地ホワイト6片にんにくについては、自家製の種の栽培実験として利用するなら良いですが、自家製の種による栽培は難しく、期待をかけすぎるのは禁物です。
それから、種球(鱗茎)を選んだら、大・中・小の大きさに分けておきます。大のみ種とします。少は料理用又は葉にんにく栽培用、中は種のバックアップ用とします。
薄皮がめくれていたり浮いていたり、薄皮が変色していたり、傷があるものは除きます。
収穫が遅れたために玉割れして、隙間に病害虫が入り込んでいるものは、種には使いません。
4.病気にかかった種を使うとどうなるか
①ちゃんと播種したのに、種が土中で腐って発芽しない。
②発芽して暫くの間は成長したが、枯れたり腐ったりして消滅してしまう。
③茎や葉が順調に成長し、鱗茎が肥大する時期に、茎から腐ってしまう。
④収穫間近で成長が止まり、鱗茎が球のままで鱗片に分かれない(分球しない)。
折角、耕して肥料もやりマルチもし丁寧に播種したのに、苦労が水の泡です。しかも、歯抜けになり畑が無残になります。
5.自家製の種球について
にんにくは高価ですので、栽培のために種球を毎年購入していては経済的に大変です。レタスやほうれん草などの野菜の種のように手軽に手に入りません。
今年栽培したにんにくから種球となる鱗茎を取り出して、種となる鱗片を確保し、自家製の種で来年のにんにくを育てます。
しかし、にんにくの種類により、自家製のにんにくの場合は、播種しても、すべて発芽するとは限りません。発芽しても順調に成長を続けるとは限りません。茎や葉が大きく育っても鱗茎部分ができるとは限りません。
6.中国産ホワイトにんにくでは
8月下旬からホームセンターに行くと、中国産ホワイトニンニクが安価で販売されていて、手軽に入手できるので重宝されています。
中国で農薬を大量に使用した土壌で栽培していても、食べるのではなく播種して育て、10か月後に収穫すると、食べても安心の国産のご当地にんにくになるのです。
しかも、種として使った鱗茎より、大きく育ちます。これを種として播種しても、発芽率も良く、順調に成長して、鱗茎も育ち、種球として使えます。
7.博多にんにくでは
国産の暖地系にんにくの一つである博多や土佐のにんにくで自家製の種を試してみました。
ネットで購入し、播種して栽培し、翌年に収穫した鱗茎を自家製の種球として播種し続けました。
栽培数は順調に増えて、出荷できる量までになりました。
自家製の種では、発芽率は約90%で、最終的に鱗茎が育つ割合は70%以上と、まずまずといった感じです。
8.福地ホワイト6片にんにくでは
ネットで福地ホワイト6片を青森の専門業者から購入し播種しました。初年度は、順調に育ちました。
収穫した鱗茎を自家製の種にしました。発芽率は約90%でしたが、最終的に鱗茎まで順調に育った割合は20%程度でした。
種が育った青森との、気候や土壌など自然環境の違いで、発芽して鱗茎が出来上がるまでに、病気にかかってしまったと思われます。
青森の福地ホワイト6片の種は高価なので、自家製の種づくりを成功させたい気持ちはありますが、簡単ではありません。
専門業者からネットで播種の時期に合わせて購入するのが良いと思われます。
9.にんにくの種(鱗片)の選別について
にんにくの選別の手順としては
①鱗茎をばらして鱗片にします。
②病気や傷のある種、スカスカになっている種を除外します。
③タネにふさわしくない小さい(軽い)のものを除外します。区分する基準は、鱗片の重さです。
④播種予定数と選別した鱗片の数で調整をします。
除外した小さいニンニクは、葉にんにくの栽培に使えます。
10.にんにくの種(鱗片)の重さについて
種のサイズは、体積や表面積ではなく、重さで区分します。
中国ホワイトは、鱗茎がもともと小さいので、種にする基準も下げます。
中国ホワイトは、種は小さくても、日本国内の暖かい地区では大きく育ちます。
種としてふさわしいサイズは以下の表のとおりです。
種類 | サイズ | 重さg |
---|---|---|
中国ホワイト | 小 | 5~6 |
暖地系にんに | 中 | 7~11 |
福地ホワイト | 大 | 12~15 |