薄皮をむいて種にする
2021.06.092021.09.29
にんにくの種は薄皮をむかずに植えつけるというのが常識ですが、皮をむいて、つるつるの状態で植えつけます。ひと手間かけるだけで、生長が早くなり、病気にも強く、大きく育ちます。
薄皮をむくメリット
左:薄皮剥いた種 右:薄皮が付いた種
薄皮をむくメリット
① 球の肥大が促進される ② 病気に強くなる ③ 適期に遅れても植えつけ可能 以上の3つの主なメリットのほかにも ・薄皮をむくことで、病気にかかっていたり、傷がついた鱗片を発見し種から除外できる ・横に隠れている鱗片を発見し、植え付け前に芽を1本化できる。芽かき作業を省ける。 ・種に出来ない小さいものは食用にできる
球の肥大が促進されるわけ
皮は水分をはじくので、にんにくをつるして保存するときなどは,種球を保護してくれます。 ところが、皮を付けたまま種球を植えつけると、土中の水分を吸いにくく、それだけ発芽が遅くなります。 皮をむいてつるつる植えにすると、発芽が数日~1週間早くなり、その後も生育が早く、充実した株で冬越しができ、最終的に収穫する鱗茎も大きく育ちます。 発芽が数日~1週間程度早い分、その後の生長にもそれが現れて、球がより大きく肥大したと考えられます。
病気に強くなるわけ
種を薄皮をむいて植えると、にんにくに多く含まれるアリシンの殺菌作用が周囲に及びやすくなります。そのため病気に感染しにくくなり、病気に強くなります。 また、発芽が早く生育も良いので、健全にたくましく育つことで、葉や茎の傷みも少なく成長します。
薄皮の剥き方
薄皮を剥いた鱗片
薄皮を剥くタイミング
早くから皮をむくと種球が乾燥するので、植えつけの当日か前日に行います。 皮を剥いた種の場合は、水はけが悪くて、肥料分が多い土だと、病気にかかりやすくなります。 肥料分の多くない畑で、しっかり耕運し高畝にして、水はけを良くしておけば大丈夫です。
水に浸ける時期と時間
2時間から1日水に浸けておき、皮をふやかしてから、薄皮をめくります。 薄皮は、鱗片を傷つけないように、小刀などを使って、丁寧に剥きます。盤茎部分の固い部分が付いていたら除きます。
播種までの保存の仕方
ビニール袋に入れた薄皮を剥いた鱗片
冷蔵庫で保存
播種する時期は、暖地系では9月中旬、寒地系では9月末ですので、それまでは、発芽促進のため、冷蔵庫で冷やして休眠打破をさせます。 にんにくは、夏の暑い時期は休眠して、涼しくなってから休眠から覚めて成長を始めます。